企業名:松尾モータース様

社員が笑い出す。それが最初に見える変化。

企業概要

所在地:兵庫県
業種:軽スタジオ(自動車販売)・自動車整備業

お話を伺った方:松尾様(代表)

取り組みの背景

松尾様が父から会社を継いだ当時、経営は赤字の状態でした。そこから会社を立て直し、事業を年商20億規模まで拡大してきました。しかし、組織が大きくなるにつれ、別の課題が見えてきました。

一部のスタッフのマイナスな姿勢が、周囲にも広がっていく。本人だけが辞めるならまだいいけれど、6割の層がずるずると引きずり込まれ、全体の活気や生産性が落ちていく。

松尾様自身は、人材育成に年間数千万円規模の研修費を投じてこられました。日本中のコンサル会社と付き合い、様々なアプローチを試してきたといいます。しかし、その多くは「答えを教える」型か、「社員と一緒に学ぶ」型のどちらかでした。

「答えを教えてもらっても、詰まったらまた答えを欲しがる。社員と一緒に学ぶ研修に行かせたら、崩れる人が出る。その繰り返しだった」

コトノハ・ラボを選んだ理由

複数のコンサルティングを導入している松尾様。ある部門のコンサルタントに納得できず、訪問を止めていた時期がありました。その後、新たに担当となった荒木(コトノハ・ラボ代表)の仕事ぶりを見て、その場で契約を切り替えたといいます。

「ちょこちょこっとやって、僕に報告してくる話を聞いてたら、この人はいけると思った。あれは鮮明に覚えている」

独立すると知ったときも、松尾様は全面的に支援すると言われました。
その理由を、松尾様はコンサルティングを「三つの型」で説明します。

一つ目は、仕組みや答えを教える型。数字は上がるが、詰まるたびに答えを欲しがるようになる。
二つ目は、社員と一緒に学ぶ型。これは新しいものを入れることへの抵抗から、離職が起きやすい。

三つ目は、社員一人ひとりに寄り添い、内側から組織をつくる型。

「一番必要なのは、三つ目なんですね。社員の内面をちゃんと把握した上での提案になるから、絶対的な信頼がある。机上の論理じゃなく、自分で現場を積み上げてきた人間だからこそ、それができる」

支援の中で起きたこと

松尾様が最も印象に残っているのは、自分自身への指摘でした。

「社長、答え早く言いすぎですと」

幹部会議の後にも「答えが早かった」とフィードバックが飛ぶ。社長が先に答えを言ってしまうと、社員は考える機会を失う。

「自分にかけているものは、自分では気がつかない。それを教えてくれる人は、たとえ誰であってもありがたい」

人事面でも変化が起きた。

「僕は社員のメンタルまでは見れない。でも、実はこの人はここが優秀なんで使ってみましょうと。半信半疑で任せてみたら、的確だった」

変化と成果

離職率が下がり、生産性は上がりました。売上の単価も向上しています。
ただ、松尾様が一番に挙げる変化は、数字ではありません。

「社員がお客様に笑顔で対応できるようになった。それが一番の変化だと思う」

松尾様は「サービスは思いやり」と訳します。以前は職人同士のコミュニケーションが少なく、黙々と仕事をこなす雰囲気がありました。今は、社員が自分の中の悩みを出し切り、新しいものを吸収することで、表情が変わってきたといいます。お客様からの感謝の言葉や差し入れが増えたのも、その証拠だと受け止めています。

社員同士の対話も変わりました。以前は社長の意見に従うだけだったスタッフが、今では自分の考えを持ち、率直に意見を交わせるようになっています。松尾様は、それを「相互作用」と表現します。

「言い合いではないんです。対立しないと、自分の本音は出てこないし、新しい答えにも行かない。意見がバッティングするからこそ、新しいものが見いだせる。対立って、組織にとってすごく健全なんですよ」

これからのこと

松尾氏が目指すのは、「働く仲間が自慢できる会社」。経営計画書にもそう明記している。

「お客様にスタッフ全員が誠実に対応することで、楽しんで来店してもらえる会社。そして、働く社員がこの会社を自慢できる会社。それがたどり着きたいところ」

今後は、部門ごとのリーダーが部下を育て、組織をボトムアップで成長させていく段階に入る。社員一人ひとりがお客様と対話できる組織を、続けてつくっていく。

迷っている経営者の方へ

「結果だけを追うのではなく、途中経過を見てください。活動を変えたら、数字はまず率が変わる。それを見れば、先が予測できます。それよりも先に、社員が笑顔になると思います。それが一番最初に見える変化です。」(松尾様)

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